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レポート

2011.06.22
ドンナハウスのセールスポイント(2005年6月)

30年程前、私が輸入住宅の仕事に関わり始めた頃、輸入住宅という建物のセールスポイントは、大変判りやすく、明快でした。

「アメリカと同じ工法、設計、材料でつくる訳ですから、本物のアメリカ住宅が建てられます。」高気密高断熱性やバリアフリーなど付随的な利点もありますが、基本的なコンセプトはこの一点です。

当時の競合の対象は、当然、在来工法が中心でしたから、欧米の生活を経験され、その建物の合理性やデザイン性を知っていられる方、日本に居ながらにしてライフスタイルの欧米化を認識されていたり、中途半端な和洋折衷の外観やインテリアに疑問を感じている方から熱烈な支持を受けることができました。

その後、輸入住宅が普及し、参入業者も多くなりました。近年では、どの会社も似たようなデザインで、同じ材料を使い、性能も同じといった大差の無い家が建てられるようになりました。セールスポイントもとってつけたようなことを、大袈裟に訴え、正直、自分でも白々しくなるようなことも度々あります。

ちょっと対象が違いますが、先だって社用車を買い換えたのですが、トヨタ、日産、ホンダといった大手メーカーをどのように分析して、選択したのかと問われたら、実は明確な答えを持ち合わせていないのです。タイプや排気量が同程度であれば、価格も同等で、性能も同等となれば、結果、格好がよいとか、インテリアが気に入ったとか、まるで自分自身を納得させるためといえるような強引で、曖昧な理由付けをしている自分に気付きました。(決して自動車業界の悪口を言うつもりはありません。完成度の高い品質管理は建築業界も見習いたいと思っております。)

もし、家造りに関して、他人の口から、私が車を選んだような理由で、決断されようとしていることを聞けば、口の悪い私は「家を造ることと車を買うことは全く違うことで、当社は、同じラインで話をする程度の会社なのですか?」と言ってしまうでしょう。

家を造る会社選びの中で、当社が、ただ一つ残るためには、もっと明快なセールスポイントがなければなりません。この手の考え事は自分の頭の中で考えていると悶々とするばかりですが、ふと、ドンナハウスを建ててくださったお客様がご契約やお引渡しのときや、その後のお付き合いの中で、言葉こそ違えど、当社について同じような意味のことをいっていただいていることを思い出しました。

最近、他社と契約され、建築が始まったのですが、その契約を破棄し、当社と再契約された方がいられます。理由は間取りの詳細や設備設計など、家造りにおいて重要なことを契約後にするといいながら、結局、充分な打合せや確認が行われないまま、工事が進んでいったことに不信感を募らせたようです。

確かに、間取りにしろ、電気設備や衛生設備などを決定するには、建主も業者も多くの時間と労力を必要とする面倒な作業です。会社の都合で、契約を早くし、契約金を早く受領することを優先し、建主が、どのような家を建てたいのか、何を望んでいるのかという最重要なことを後回しにしてしまった不幸な結末と言えるでしょう。当然、当社としては、ご納得いただけるまで打合せを行い、契約していただくことになりました。

別の方からは、お引渡しの際に、「ドンナハウスさんへは本当にいろいろな要望を言わせていただきましたが、決して、出来ないと断られたことがなく、全てについて、工夫をして要望を満たす答えを出してもらい、本当に感謝しております。」とのことでした。さらに「各業種の職人さんまで、いい家を造ることに一生懸命で、楽しい家造りでした。終わってしまうのが寂しいくらいです。」と胸が詰まるようなお言葉を頂戴しました。二つの事例に共通しているのは、建主が何を望み、それに対し、真剣に取り組んできたことの報いと理解しています。

「目の前の一手間をケチるな、一手間を掛けろ」とスタッフや職人、そして、自分自身に言い聞かせます。「一手間をケチる」ことと、「一手間を掛ける」ことの違いを物を創る人は皆判っています。「一手間をケチる人は、二手間も三手間もケチり、一手間を厭わない人は、二手間も三手間も厭わないのです。」

自動車は設備の整った工場で、完成度の高い設計、マニュアルのもとで造られます。家、特に注文住宅は、現場ごとに一軒々々違うものを造ります。ですので、営業、設計、施工に関わる全てのスタッフ、職人の姿勢が非常に重要になります。

お客様の満足な笑顔を拝見するたびに、ドンナハウスが一手間を厭わない人間の集団であることに誇りを覚え、それこそが真似のできないセールスポイントであることを確信し、さらなるレベルの向上に努めたいと意を新たにしております。

カテゴリー:話題

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