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レポート

2011.06.23
完成度の高いトータルコーディネート(2008年12月)

ヨーロッパやアメリカでは、新築のしかも注文住宅を建てようという人は少なくて、多くの人が中古住宅を購入します。

日本で皆さんのように、間取りをどうしようとか、仕様をどうしようといった建築そのものに頭を悩ませることはなく、その分、インテリア的な部分にこだわりが向けられます。そんな歴史が何百年も続いて、文化となって洗練を重ねてきたのです。

ですから欧米の家具や雑貨のデザイン性も優れていて、インテリアの手法も学ぶところがたくさんあるのだと考えております。

美しく、居心地の良い空間にするためには、建築の内装から始まり、照明、カーテン、家具、絵画や鏡、装飾的な小物まで、全体的な調和を意識する必要があります。それがトータルコーディネートです。置くものひとつひとつを吟味するのと同時に、部屋の雰囲気との調和も考えるのです。一通り整っても、その後の工夫や手入れも必要です。ときに孤独な自分と向き合うような作業ですから、ご家族、ご自身への大きな愛がなければ続けられません。完璧である必要はないのです。住まいを良くしていこうという思いそのものが、さわやかな朝、無事な日中、やすらかな夜が永遠に続きますようにと祈りを重ねていくことと同じ意味を持つような気がします。家に帰ると幸せになれる。元気になる。まるで魔法のように、生きていく力の源となるのです。

トータルコーディネートを実践するには、経済的な問題も関係します。家具やカーテン、生活雑貨などは建築工事の終盤以降の出費になるので、存分に費用をかけられる人のほうが少ないでしょう。建築に凝れば、当然、インテリアにも凝りたくなりますが、予算が限られるわけです。しかし、こだわり派のお客様はトータルコーディネートの重要性をよく認識され、インテリアの費用を別枠に考えていらっしゃるようです。建築にこだわりながらも、予算内でおさまるようにセーブしているのです。極端な例えになりますが、家具の予算を確保するために、延床面積は抑えておこうといった感じです。そして、そういったお客様は、見事なインテリアを実現されます。建築自体からこだわり通せるわけですから、やり遂げた出来栄えとその満足感は格別なものです。

(W.K共記)

カテゴリー:話題

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