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レポート

2011.06.23
ドンナハウスは何かが違う(2010年11月)

私の師匠船越康が、日本で初めて輸入住宅を雑誌に宣伝し始めてから約40年が経ちました。

そして今から15年前の1995年、橋本龍太郎通産大臣の時、貿易黒字を減らす為アメリカからの輸入促進の政策の一環として、輸入住宅産業協議会が発足され輸入住宅に関係する建材商社、建築会社がたくさんこれに参入し、輸入住宅と称されるマーケットが急速に拡大しました。

私は、この協議会発足以前から師匠のもと、家1棟分の木材、合板、断熱材、窓、扉から台所セット等設備品迄、必要材料を大きなコンテナで輸入し建築する会社に在籍し本物の輸入住宅を造る会社として、プライドを持って 働いておりました。

ところが、協議会発足後、輸入窓が付いていれば輸入住宅という風潮が、雰囲気として顧客を惑わすようで、嫌な気分になりました。

現在は建材商社でほとんど何でも輸入出来るようになり、建築会社もその輸入品の使い方に慣れてきて輸入住宅の円熟期に入っている感が有り、昔のような嫌な気分は無くなりました。

むしろ競争の世界に入り、以前より増してあらゆる努力をしなければ受注も難しい時代になっています。

ドンナハウスが他社と「何が違うか」を明確に提示出来るポイントがたくさん有った以前より今は大分少なくなってきたことを認めざるを得ません。

他社との違いを客観的(?)に捉えるには、今迄にお建て頂きましたお客様に「なぜドンナハウスを採用されたか」とお話を伺うことによって答えが出せるでしょう。

ほとんど100%の方が「写真を見て何かが違う」「実物を見ると何が違うか判らないけど他社と全く違う」とお話下さいます。そこで「何が違う」かを考えてみました。

もちろん会社の規模、営業スタイル等、他社と同じ所などありませんが、建築された作品に限定して述べてみます。私は、洋館を造るに当り、外観は「構造の原点に立つ」を基本としています。

洋館とは海の向こうの館でしょうが、タイ国やインドネシア国のことではなくヨーロッパのレンガ造りや石造りの組積建築物を指し、これらは特に窓や扉の取付部に観察される壁の厚さ、又これらの開口部の 縦と横の寸法的バランス、配列、屋根と外壁の取り合い部に組積工法ならではの特長が出ます。

当社は、木造以外にも他工法も手掛けており、どれも組石の特長をデザインの要とし一番大切にしています。

又、内部に於いても大きな開口部は壁の厚さを意識的に強調する工夫とか開口部に装飾枠を施し下にプリンスブロック(台)をつける等、原点の追求の足跡を残す様にしています。

そして、内部に於いて更に大切な事は造りつけ家具です。こだわりのある立派な家具を持ち込んでも造り付けが見劣りしないレベルにしなければなりません。

当然どの様な家具がお好みか理解し設計することを常に心掛けておりますし、特にトラディショナルなデザイン家具はより注意が必要です。

これらの内容総て上手にバランスがとれていることの結果、上品で重厚な建物「何か違う」建物が出来上がります。

そして、この過程に於いて私達の妥協しない執念に近い忍耐、又、これに掛かる相当な時間が要求されていることを覚悟しなければなりません。同じ建築建材を使用してもデザインへの気遣い方によって、全く感覚の違った建築物が 出来てしまいます。

早く契約して速く建築して速く代金回収をするシステムの経営スタイルでは不可能と言えましょう。

難しい時間の掛かる打合せ設計を契約後と後回しする効率的スタイルはこだわりの家造り希望のお客様とのトラブルに発展する危険性を持っています。

その次に大切な事として紙の上にデザインされたものが、確実に施工され、形に反映されなければこそ「絵に描いた餅」になってしまいます。

実際施工に係わる技術者は勿論のこと又この人々を指導、監督する現場監督の能力が大変大きく要求されてくるところです。

設計者の求める本物の洋館の条件を実際作業する現場監督技術者が、理解していなければなりません。

設計図の線1本の意味、線と線の間の寸法の意味が、こだわりであり、これを形にする事は同じ美的感覚を共有しなければ理解出来ません。
100%図面に表記出来るなら良いのですが出来ない作業内容も建築にはたくさん有ります。

例えば[塗装、左官工事等]

一応形として出来上がっていれば良い訳ではないのです。長年ドンナハウスの家造りの中でお客様と喜びを分かち合ってきた、各業種技術者のこだわりの有る執念が「何か違う」に繋がっていることを、御理解頂きたいとと思います。

大部分の大手建築会社の分業別のしっかりとしたシステムは、感覚を大事にした「何か違う」「こだわりの家造り」には向かないのではないでしょうか。

全員が同じ方向を向いている家族の様な小さな集団が「こだわりの家造り」「何か違う家造り」に適しています。

現実に木材や建材を手に持ち、私を含め一棟、一棟に関わる者全員が、お客様と楽しみながら家造りをする企業規模でドンナハウスは有りたいと考えていますし「こだわりの家造り」「何か違う家造り」に適していると思います。

「何か違う」はここに書きましたことと、お客様の考えておられることとは、多少異なるかも知れませんが、「ドンナハウスにして良かった」と評価頂ける様、更に更に研鑽を積んで参りたいと意を改めて強くしております。

(T.I 記)

カテゴリー:話題

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