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レポート

2011.06.23
気になる家(2010年1月)

最近神戸三宮を経由して行動する機会があります。

仕事が終わり時間に余裕が取れたので、三宮より新幹線新神戸駅迄歩きました。北野の異人館通りです。

観光客の多い有名な異人館街を通り過ごし、少し静かになったかなと思う所に住宅として使用していると思われる、気になるステキな家を見つけました。

建築屋の業でしょうか。どの様に造ったのか詳細に興味を持ちジロジロ観察してしまいました。住人が「何ですか?」と出て来られたら、サッと逃げようと思いつつ。

ところが余り目立たない小さなプレートに、ウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計と有り「やっぱりなぁ~」こだわりの美しいデザインの出所を納得しました。

後で判ったのですが、社宅として当初建築され、現在は日比野花檀のスクールとなっているようです。

ヴォーリズはクリスチャンで、多くの事業を起こし、30年位前床屋の髭剃り後に鼻の下に塗り込まれたあの「メンソレータム」を、アメリカより輸入し始めたり建築設計家として1910年頃より日本で1000棟以上の建物を残してきました。

数年前、解体か保存かで町長リコール問題に発展し、新聞をにぎやかした滋賀県犬上の豊郷小学校の設計者を申し上げると、ピンと来られる方もおられると思います。

心斎橋の大丸百貨店、関西学院、同志社、神戸女学院と有名な作品が多数有ります。

多少当てつけですが、私の異人館通りの行為よりもっと過激な方(心当たりの方には表現がきつく謝ります)が当社のお客様の中に何人かおられます。

18年前に当社で建てさせて頂いた調布N公園の前のMさんは玄関インターホンで「何処で建てたのですか?」と呼び出されることが何回か有ったそうです。

川崎のY邸、木更津のS邸も同じ被害(?)に会っています。当社の電話番号を聞かれ当社を訪ねて来られる、このような方々には大変な勉強家の方が多く、スクラップブックの資料に当社の作品写真を多数集めておられ、たまたま押した「ピンポンのインターホンの方もドンナハウス」でした。というケースです。

評価をして頂き有難うございます。とお礼を申し上げています。

私達ドンナハウスの造る家は、斬新な現代調の家では有りません。地味ではあるが、繊細に美的なこだわりを盛り込んだお洒落な住まいで昔からず~とその場所に存在し、その土地に溶け込んだ様な住まいです。

ですから、時間が経過すればする程良さが漂ってくる住まいと言えます。

ヴォーリズの家のように100年経っても美しいと評価される住まい造りを更に心掛けて行きたいと思います。

(I.T記)

カテゴリー:話題

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