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レポート

2011.06.23
輸入住宅の外構(2008年6月)

外構はとても大切です。シンプルな住宅が外構によって見栄えしていれば、「うまい外構だな。」と感心することもありますし、反対にすてきな住宅が、外構で印象を悪くしているのをみれば「もったいない。」と思うことがあります。是が非でも道行く辛口評論家をうならせたいものです。今回は輸入住宅の外構について、考えてみます。

「アメリカの広い敷地では、フロントヤードとバックヤードができて、そんなものは日本の住宅事情では参考にならない。」かというと、そうではないように思います。たとえば、前庭に関していえば、通りからの見え方を絵画を描くかのごとく大切にする精神は見習いたいものです。それは、身だしなみに気を使うのと同じレベルの気遣いではないでしょうか。アプローチと駐車スペースだけの前庭であっても同じことなのです。季節の草花を植えた一鉢でさえ、道行く人の魂に語りかけてくれるのです。

意外な点で苦心することがあります。それは道路付けです。道路が北側や路地上敷地の場合は単純なのですが、南側道路の場合は、プライベートに使う庭も日当りのよい南側、つまり道路側に配置される場合が多く、道路側からの眺めるデザインとプライバシーを確保し、室内からも楽しめる工夫とを両立する必要があるわけです。するとついつい、フロントヤードとしてのデザインが中途半端になってしまうことがあるのです。

住宅の敷地としては南道路が好まれることが多いのですが、南道路なりの難しさもあるのです。

LDなど居室からつながるプライベートな庭に関しては、テラスやサンデッキなどをアウトドアリビングやバーベキューコーナーなど、ご家族のご趣向があらわれます。

ガーデニングが好きな方は、窓越しの風景にもこだわり、手間を惜しみません。ふと目にとまる庭の美しさはハンドメイドの贅沢です。まさに賜物です。

あるとき植木屋さんと話をしました。「本当は週に何日か、一時間ぐらい庭に手を掛けてもらうといいんだけどね。」「それがなかなか・・・。」ですよね。家を建てたころは、庭の手入れに夢中になれます。しかし、生活をしていれば、お仕事や日々のことはもちろん、子育てや介護等々、差し迫ったことに追われ、お庭の手入れは後回しになりがちです。

でも、そんなときは「ごめんね。そのうち時間を作るからね。」と草木のことを思うだけでもいいのかなとも思います。きっと草木は文句も言わず、いつまでも待ってくれるでしょう。

庭を大切に思い、できる限りの手入れを続けていくことは、とても大変なことですが、その分、贅沢で幸せなことなのではと、しみじみと思います。

( K.W 共記)

カテゴリー:話題

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