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レポート

2011.06.23
品質改善について(2007年9月)

7月16日 また、大きな地震がありました。新潟県中越沖地震です。

平成16年の中越地震の記憶も新たなうち、間近な地域で起きた震災ですから、いっそうショッキングなニュースでした。被災者の方々には、心より、お見舞い申し上げます。

耐震強度や独自の免震や制震の効果を訴えたものが目に付きます。おそらく、平成7年の阪神淡路の震災を期に、研究開発に弾みのついたものが、実用レベルに至り、現在のキャンペーンラッシュにつながったものと想像できます。

これから家を建てようというお客様も、国内で数年毎におきる大震災への不安から、営業、設計段階での耐震性や免震、制震などに関するご質問の多さから、非常に関心の高いことを感じております。

実際には、免震システムはコストが高額であり、システムを採用することにより、メーカーやビルダーがかなり限定されることや、きちんとした耐震性をもった建物は、震度6強の地震でもほとんど倒壊していないというデータから、システムの一般化は、まだ、これからのようです。また、免震システムほど、コストがかからないという意味で、制震構造を採用した会社も多いようです。

私も輸入住宅の世界に入り30年を越すキャリアのなかで、全国で数百の住宅の建設に携わってまいり、関西地区や宮城県などで大きな地震を経験した住宅も数棟ございましたが、外部の土間コンクリートのひび割れ程度で、私共の建物の耐震性の高さを実感いたしました。

私共の輸入住宅は、ただでも地震に強い2×4工法を、より強固にしておりますので、当然の結果とも言えますが、それでも、ピアノや収納家具が床面を数メートルも移動したとのお話を伺えば、自然の力の強大さを感じざるをえません。

輸入住宅だから大丈夫とか、2×4工法だから地震に強いとかといった姿勢だけでなく、より強い家、より安全な家をご提供するために、免震システムや制震構造も研究しております。ただ、構造に関わる新しいシステムですから、慎重に慎重を重ねて行う必要があります。新しい工法や建材は実用されてから、10年以上経って、問題が発覚する場合もあるのです。

地震に関するものだけでなく、省エネに関するもの、健康、環境に関するもの等々・・・住宅業界の広告宣伝では、トレンド的なキーワードがあります。広告宣伝的なメッセージは、単純で、わかりやすく、センセーショナルなほど優れたものとされます。

ご自身がどんな家を建てたいか迷われているときに、スマートで目新しいメッセージをとても新鮮に感じ、盲目的に引き付けられることもあると思います。

しかし、ときとしてそれは売上拡大の差別化の手段でもあり、それがそのまま、より品質のいい家造りのための唯一絶対的な方法ではないこともままあるのです。

私共ビルダーにとっても、情報の多い時代ですが、品質改善は、あくまでも、『住む方の立場に立った目線でなければならない』と強く思います。

(K.W 共記)

カテゴリー:話題

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