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レポート

2011.06.23
上品なデザインとは(2007年5月)

「上品なデザイン・直輸入住宅」とは、弊社のキャッチフレーズです。

上品で美しい洋館を造ることこそ弊社の生業(なりわい)であるとの思いを込め、妥協せず設計、工務に励んでおります。今回は私どもの追及する「上品なデザイン」とは何だろうかということについて考えたいと思います。

輸入住宅の原点はアメリカの木造住宅です。そして、アメリカの住宅の源流は彼らの故郷であるヨーロッパにあることは言うまでもありませんが、今なお、リバイバルクラッシク(グリークスタイル・スパニッシュ・フレンチ・ジョージアン等)のデザインがアメリカの建築家により造られているのです。

では、源流であるヨーロッパの住宅、建築物はどのようなものでしょうか。基本的に身近で簡単に入手できる石材を人間が動かせる大きさに切断加工し、外敵から自分達民族を守るための城砦は、より高く、簡単に崩れない組石の基本を生み、窓や出入り口などのための大きな開口部を実現するために、どのように石材を加工し、組み合わせるかに叡智がつくされ、それと表裏一体に装飾の基本パターンが発展していきました。

崩れやすい石積では、窓等の開口部は幅が大きくとることが出来ず、明るさをとるために、開口の高さを大きくすることになります。その開口部の左右に構造的バランスのとれる大きな壁を造ります。下階の開口部の上部は強度が落ちるため、上階の開口部を揃えていくのです。洋館の開口部が細長く、シンメトリー(左右対称)に位置が揃っていることは、構造的な理由から来ているのです。そして、あくまで私見ですが、理にかなった構造的な構成の結果生じる意匠こそが、重厚さ、安らぎを感じさせてくれるのではないかと思います。

木材が豊富なアメリカの建築物が、本来ならもっと自由にデザインができるのにかかわらず、彼らの故郷の様式を忠実に再現していくことは、ノスタルジーの賜物という言い方もできますが、人の心のなかで、何をして美しいと感じるかという部分とやすらぎや安心感を感じる部分は非常に近いのではないかと想像しております。

「上品なデザイン」とは。「上品」は品(しな)が良い、つまり、本物であることを意味します。洋館でいう本物のデザインとは、ヨーロッパの石造建築の様式に則ったものであるのです。悪例になりますが、日本で見る洋館でも、とってつけたような華美な装飾がいわゆる下品に見えるのは、本来的な方法を理解しないで施されたデザインだからでしょう。

アメリカの住宅は木造と石造という工法の違いを超え、いかに忠実に故郷の建物の美しさを再現するかという歴史であり、ヨーロッパ建築のエッセンスのようなものが凝縮されており、デザインの水準の高さは群を抜いていると考えます。

日本でつくる洋館においても、欧米建築の美しさのエッセンスを、その本質を理解すれば、必ず再現できるのはないかと考えます。洋館の美しさにあこがれるお客様に「ドンナハウスは本当に上品なデザインの洋館を造る」とお褒めいただけるよう、努力研鑽を重ねる所存です。

(T.I K.W 共記)

カテゴリー:話題

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